お役立ち情報Column

  1. TOP
  2. お役立ち情報
  3. 犬の白内障の原因・症状・治療法

お役立ち情報

犬の白内障の原因・症状・治療法

犬の白内障について

人間と同じく、どの犬にも白内障のリスクがあり、発症してしまうと元に戻すことが難しく、放置すると失明してしまう病気として知られています。
若い年齢でも発症の可能性があることから、どんな症状や治療が行われるかを知っておきたいですね。
今回は、白内障の原因や治療と予防などをご紹介します。

白内障はどんな病気?

白内障は、目の中のレンズの役割のある透明な水晶体が白く濁って、視力が次第に低下してしまい、やがて症状が進むと目が真っ白に白濁して失明します。

白内障の主な原因は?

白内障の原因で最も多いとされているのは、加齢や遺伝性によるとされていますが、はっきりとした原因は分かっていません。
現在、可能性とし挙げられているのは以下になります。

➀遺伝性

親の遺伝によって子犬に受け継がれる事を、遺伝性白内障といい、進行のスピードが速く、一般的に6歳までの発症が多いとされています。

遺伝性白内障になりやすい犬種

・トイプードル
・チワワ
・キャバリア
・フレンチブルドッグ
・ジャックラッセルテリア
・ヨークシャーテリア
・アメリカン・コッカー・スパニエル

②加齢

年をとることで発症する白内障を加齢性白内障と呼びます。概ね、6歳以上を過ぎて発症した白内障を加齢によるものとしています。
加齢性白内障は、比較的進行のスピードは緩やかであり、半年や1年単位で進行しますが、糖尿病などの合併症があれば急転する事もあります。

③代謝性

多くは、糖尿病による原因になり、糖尿病になると併発する恐れがあります。他には、低カルシウム血症やホルモン疾患などが原因になりえます。

④目の外傷

目のケガによって、炎症を引き起こし発症する事があります。目やにが多いと、細菌によって炎症が起きてしまったり、草むらを走ってレンズに傷がつく事があります。
また、直接レンズに傷がつくのではなく、目を強打した外傷性ショックにも注意してあげましょう。

⑤目の病気

目の中の環境が変化して、進行性網膜萎縮、緑内障、水晶体脱臼、ブドウ膜炎などをきっかけとして白内障を引き起こす恐れがあります。

⑥紫外線

強い紫外線に長時間あたることも目に影響を与えます。

白内障と間違いやすい核硬化症とは?

犬の核硬化症は、老化によって目の水晶体の中心の核が圧縮されて硬くなり屈折率が変化して、中心が青色で周りが白く濁って見える状態です。
生理的なもので、失明の心配はありません。
見分ける判断が難しいため、眼科専門の動物病院で診察してもらいましょう。

症状と治療法

白内障の症状は、水晶体の白濁した進行度によって4つのステージに分けることができます。

ステージ➀ 初発白内障 水晶体全域の10%~15%が濁る

水晶体の一部分のみが、少し濁りほとんど視覚的に問題ない状態です。犬も日常的には、普段通りの生活をおくれます。
飼主さんは、ほとんど気付く事は出来ないでしょう。

ステージ② 未熟白内障 水晶体の15%以上が濁る

犬の視界がぼやけて霞んでくるようになります。
犬が散歩に行きたがらない、つまづくなどの小さな行動が現れます。

ステージ③ 成熟白内障 水晶体の全域が濁る

見た目で、目が白く濁っているのが確認できる状態です。
犬の視力がかなり低下しているため、家具や壁にぶつかります。

ステージ④ 過熟白内障 水晶体の濁りが液状化

全域で濁っていた水晶体が溶け出します。そして、目が透明になったように見えます。
残念ながら、白内障の末期状態で失明寸前といえます。他の病気を誘発してしまう可能性が高くなるでしょう。

治療法

白内障の治療には、内科治療と外科治療があります。
症状のステージの段階とその子の健康状態を見て治療方針を相談しましょう。

内科的治療

水晶体を元にもどすのではなく、進行を遅らせることが目的の治療方法になります。点眼薬や内服薬で様子を診ていきます。

外科的治療

手術によって濁った水晶体を取除いて、人工レンズを挿入して再び目が見えるようにします。
手術を行うには、眼底の機能や網膜も正常であるなどの条件の他に、全身麻酔をする手術に対応できる年齢的配慮も必要です。
術後2週間程は、点眼をして炎症を抑えていくことになります。
そして、現在の手術の成功率は、技術の向上によって、90%以上といわれています。
視力が回復して飼主さんも犬も快適に暮らせるようになる希望がありますね。

予防~早期発見と眼科検診

白内障は、とても怖い病気で失明してしまうことを考えると心から回避したいと願う病気の一つです。
明確な予防法はありませんが、行えることはいくつかあります。

定期健診(眼科検診)

早期発見がカギになります。ちょっとした変化に気づいて病院で検査を受けましょう。
6歳を超えた頃からは、定期的に目の検診を受けるようにしましょう。

目を清潔に保つ

目の周囲の毛が目にかかってしまうと、犬が目をこすって目やにや傷のきっかけになります。
そうならないためにも、被毛をカットし、目やには優しく拭き取ってあげましょう。

散歩でのルート選び

犬の散歩中に、草むらの中に入って、転がったり突っ込んだりして遊ぶのが好きな子もいるでしょう。
目のケガを防ぐため、草むらや背丈の低い木々の間を散歩させないように、散歩のルートを工夫してみましょう。

紫外線を避ける

強い紫外線は、犬の目や皮膚にもダメージになります。
昼間の強い紫外線を避けて、朝夕の涼しい時間帯の散歩を行いましょう。

食事に抗酸化作用をプラス

バランスのいい総合栄養食で十分ですが、含まれている栄養素に抗酸化作用があるものに注目してみるのもいいでしょう。
抗酸化作用は、体内で細胞が錆びつかさないような役割をしてくれます。
アスタキサンチン、ビタミンEなどを含む食品を摂ることで栄養素のサポートになります。

白内障の犬のためにできることは?

視力が低下しても行動できるように、室内のレイアウトを変えずに慣れ親しんだ環境をキープしましょう。
散歩は、外が薄暗いと犬が側溝に片足が落ちてしまったり、つまずいてしまうため、犬用のカートに乗せるか抱っこをして散歩をしてみるなどの工夫をしてみましょう。
また、犬がよく見えていないと、急に体を触ると驚いて反射的に噛んでしまうことがあります。スキンシップの前にやさしく声をかけてあげて安心させてあげましょう。
見えにくい生活に不安になっているかもしれないため、愛情をかけてサポートをしてあげましょう。

まとめ

白内障は、早期発見により症状の進行を緩やかにすることや外科手術などで対処できることが可能です。
初期症状をいち早く発見できるかは、眼科の検診がとても大切ですね。健康診断では眼科検診を選び獣医師と相談しましょう。
そして、愛犬の目が澄んでいるかを日頃からチェックしておきましょう。

  • 健康
  • 病気
  • その他