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犬の下痢の原因と緊急性の見分け方

犬の下痢について

犬の下痢はさまざまな原因から引き起こされます。食べすぎからくる一過性のものから、病気のサインのケースもあります。
ここでは、下痢の原因や、病院に連れていく緊急性の高い症状の見分け方と対処方法などをご紹介します。

犬の下痢の状態とは?

犬の健康で正常なうんちは、人よりも少し硬めでティシュでつかめる硬さくらいになります。
そうではなく、水分が多めで形になってないうんちは下痢をしていることになります。
犬にも個体差があるため、普段よりも柔らかすぎる場合などで判断しましょう。
下痢は子犬にとって、脱水症状を起こし、命に関わる可能性があるため、十分に注意する必要があります。
下痢になってしまった時は、犬の小腸や大腸で異変が起きていることが多く、場所によってどちらで異常があるかで症状が違います。

『小腸性下痢』の特徴

・回数:通常と変化なし
・1回の量:通常より多い
・形:やや軟便から水様便
・出血:出血があると黒っぽいうんち
・体重:減少して長引くと嘔吐する

『大腸性下痢』の特徴

・回数: かなり多くなる
・1回の量: 通常と変化なし
・形: 軟便で粘着が付着する
・出血:出血があると鮮血、赤い血が確認できる
・体重:通常と変化なし

下痢の硬さの3種類

『軟便』

一般的には、軽度の下痢に分類されます。
健康なうんちと形はだいたい同じだけど、つかむことができない柔らかさがある。


『泥状便』

軟便よりもさらに柔らかく形にはなってなく、泥状のためにつかむことはできない。


『水様便』

形はなくほぼ水状態のうんちで、いきまなくても出てしまいます。

見た目の違いは?

『黒色便』

タール便と呼ばれる粘着性のある黒っぽいうんちになります。
出血を伴っている血便の可能性があり、胃や小腸などの上部消化管からの出血が疑われます。


『鮮血便』

鮮血便は、赤い血が混じった血便のことで、結腸や肛門付近からの出血の可能性があります。


『粘着便』

ゼリー状の粘液に包まれて出たうんちになります。粘着液は、半透明やピンク色、緑色などがみられます。
通常は、大腸の粘膜から分泌されますが、何らかの異変が起きてしまったことで粘膜が付着してしまっています。


『白色便』

白っぽさは、脂肪便とよばれており、消化不良によって脂肪分が含まれた状態です。
胆のうやすい蔵に異常がある場合も、脂肪分が多くなり白色便になります。

考えられる原因は?

犬の下痢の原因は一つに限定される場合と、他の要因も重なっていることもあります。
些細なことがきっかけとなることもありますが、考えられる原因を知って対処することが出来ます。

➀食事

日頃の食事の食べすぎやフードの変更、食べ慣れていない食事で消化不良を起すケースがあります。
また、特定の食材に対してのアレルギー反応が考えられます。

②ウィルス

ウィルスの感染症では、犬バルボウィルス感染症がよく知られています。
下痢と激しい嘔吐が起こり、子犬はワクチンプログラムを行っていないと命を落とす場合もあります。
ワクチン接種によって予防が可能なウィルスなため、獣医などでワクチン接種しておきましょう。

③寄生虫

回虫、条虫、鞭虫など肉眼で確認が出来るものもいれば、トリコモナス、コクシジウムなど肉眼では確認出来ない寄生虫も存在します。
寄生虫により下痢症状が出る事がありますので、症状が出た場合は可能性の一つとして捉えておくとよいでしょう。
寄生虫は、駆除しないと犬の健全な成長の妨げになるため十分注意が必要です。
特に多頭飼いをしている場合は、感染してしまうリスクが大きいので、自分で判断せずに他の子も検査をするのがおすすめです。

④異物などの誤飲

消化できない物を食べた場合に、下痢と嘔吐が起こります。嘔吐は、泡のような物を吐いて元気がなくなります。
排泄物として出ない物や、糸状の物は緊急性が高いため直ちに動物病院で診てもらいましょう。

⑤ストレス環境

環境の変化のストレスによって、腸内の働きのバランスが崩れて下痢を引き起こします。
引越しや慣れないペットホテルでの宿泊、長時間のお留守番や運動量の不足などがストレスになる可能性があります。
概ね、2日間ほどで改善されますが、続く場合は病院での診察が必要です。
愛犬のためにも可能な限りストレスフリーな環境を作ってあげましょう。

⑥病気と消化器官

病気が起因して下痢の症状がでるケースがいくつかあります。慢性的に腸の消化器官に異変が起こり下痢になります。
腸の周囲の臓器の炎症や、ホルモンの不足からのアジソン病などからも症状がでます。
また、生まれつき消化器官が弱くアレルギー体質の子はなりやすい傾向にあります。

緊急性のある下痢の見分け方

愛犬が下痢をした後も、元気で食欲があれば病院に行かずに様子をみてもいいでしょう。
成犬では、一過性の下痢で軽度であれば、ほとんどは2日目には回復に向かいます。
ただし、次のような症状があれば、どんどん悪化して重症化する可能性があります。
緊急性が高く命に係わる急性膵炎などを併発しているケースもあります。一刻を争う症状もあるため、慎重な判断が必要です。
特に子犬やシニア犬は、体力がないため様子見よりも病院の診察を優先しましょう。

主な危険な症状

・トイレの回数が多く下痢が止まらない
・水のような下痢を頻繁に繰り返す
・嘔吐や吐血がある、泡やよだれが大量に出る
・血の混じった血便が出る
・黒色や緑色の便がでる
・便の中に寄生虫がいた
・食欲や元気がなく応答に反応が薄い
・体重が減っている
・3日以上下痢が続いている
・腹痛・震えがある
・ふらつきと熱が40℃を超えている

動物病院に行く時は?

事前に電話で予約をして、うんちの採取が必要かを確認しましょう。
多くは、採取できていなくても受診は問題ないでしょう。
詳細を伝えるために、携帯で撮って見せると参考になるでしょう。

犬の下痢は人や他の犬に感染する?

下痢がウィルスや寄生虫によって起こっているケースでは、人間に感染する人獣共通感染症があり、注意が必要です。
これらの感染症は、何らかのタイミングで、傷口や口から侵入して感染します。
うんちを直接さわらないように注意して、処理した後は手洗い洗剤で手を洗いましょう。
多頭飼いの場合は、下痢をしたトイレに近づけないようにするのと同時に、出来れば部屋を分けた方が安心です。
感染が疑われる同居の犬は、自力では回復しないため、検査と駆除をしてもらいましょう。

愛犬のために出来ることや下痢の予防は?

安静にして見守る

下痢をしている愛犬の体調が回復するまでは、散歩やトリミングサロンは止めて室内で安静に過ごさせるようにしましょう。

食事の見直し

下痢をした日から半日程は、食事の量を通常より半分にして与えて胃腸を休ませてあげましょう。
2日目は、食事量を前日より増やして経過をみます。
様子を見ながら3日ほどかけて、元の食事量へ戻していきましょう。
この3日間くらいは、脱水症状になりやすいため、消化の負担になる硬いジャーキーなどのおやつは減らし、水と水分補給ができるウエットフードを与えましょう。
特定の食材でのアレルギー反応の可能性があれば、獣医師の指導を受けましょう。
子犬の頃から、バランスよく色んなフードを試してその子の体質に合うフード選びをする事が大切です。

フードの切り替え方法

新しいフードに慣れてないと下痢を引き起こしてしまうため、フードの変更は急に行わずに、少しずつ加えて割合を変えていくようにしましょう。

ウィルス・寄生虫から守る

毎年のワクチン接種を行い、ウィルスの感染の対策と寄生虫には、駆除薬を投与して予防しましょう。
動物病院でワクチン接種のスケジュールを相談しておくといいでしょう。
また、蚊が媒体するウィルスには、フィラリア予防薬の投与も行いましょう。
犬が蚊に刺されないためには、ペット用の虫よけスプレーを利用したり、蚊が多い池周りを避けて散歩すると良いでしょう。

犬のストレスをチェック

運動不足やスキンシップ不足がないかを改めて見直してみましょう。
新しいおもちゃを新調してみたり、生活のうれしいプラスも愛犬のためになるでしょう。

物をしまう習慣

犬の異物誤飲事故は、思いもよらない物を飲み込んだり、食事の際の拾い食いなどがあります。
日頃よりテーブルや犬の前足が届く場所に、人用のサプリやガム、キーホルダーなどの物を置かないように工夫をしましょう。
子犬の頃は、好奇心から口に入れてしまうため、キッチンへ入らせないようにペット用フェンスのドアを設置してみるのもいいでしょう。

まとめ

犬の下痢の原因は、軽度なものから大きな病気に繋がるものまであります。

十分に観察して、下痢になりにくい環境を整え、犬の健康の異変に気づいてあげましょう。

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