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犬の肛門腺のケア方法
肛門腺絞りについて知っておこう
犬のお手入れのひとつ肛門腺絞り(こうもんせんしぼり)は、愛犬の健康やお尻の独特な臭いを軽減するため欠かせないケアになります。肛門腺絞りの役割や方法などをお伝えします。
肛門腺絞りとは?
犬の肛門まわりを摘まんで肛門腺に溜まった分泌液を出すお手入れのことをいいます。
役割などもっと詳しく!
肛門腺とは?どんな役割があるの?
肛門腺とは肛門を軸にして両側にある袋状の臭い袋の組織になります。
肛門を時計に例えてみると、4時と8時の位置にあります。
肛門腺には、かなり強烈な臭いのある分泌液が溜まっています。
犬同士が出会った時にお尻を嗅ぎあっているのは、犬がお互いの情報を確認し犬の個別認識と挨拶になる役割をしているからです。
また、排泄の際に自然に分泌されることから自分のテリトリーに臭いをつけるために備わっています。
個別に認識できる肛門腺の機能はすごいですね。
肛門腺絞りは必要?必要ないタイプがある?
犬の多くは、肛門腺を絞らなくても排出の時や興奮した時などに自然と排出される体のしくみになっています。
大型犬は筋力があり、小型犬に比べると溜まりにくい傾向だといわれています。
対して、小型犬は筋力が弱く肛門絞りのケアが必要とされます。
犬種では、チワワやトイプードルはサポートしてあげましょう。
また、シニアになると溜まりやすくなるため注意が必要となります。
肛門腺の分泌液について
色は、犬の健康状態や個別により様々ですが、こげ茶色・黄土色・ベージュ・深い黄緑などがあります。
形状は、泥状・粘土状・水っぽくサラサラしている場合もあります。
臭いは、概ねかなり強烈に臭く、素手につくと臭いが一日残ります。
基本の肛門絞りのやり方
肛門腺絞りの用意する物
◇キッチンペーパー又はティッシュ多め
◇ナイロン手袋(使い捨て用)
◇ゴミ袋(ナイロン袋)
◇ウエットティッシュ(ペット用)
肛門絞りのやり方
ステップ➀
ナイロン手袋をはめる。
キッチンペーパーを二つ折りにする。
犬のしっぽを片手で持って、肛門にキッチンペーパーをあてる。
ステップ②
肛門の両側の少しぷっくりとした箇所の、4時と8時の所を下から押しあげながらつまんで手前にしぼる。
稀に飛び散ってしまう場合があるため、汚れても大丈夫な服装かお風呂場で行うのがおすすめです。
ここがポイント!
つまむ感覚は、人が鼻水を拭くときにつまむ感じをイメージしてみると分かりやすいでしょう。
つまんで絞る時は、親指と人差指だけを使って行うとやりやすく、強く力を入れなくても、押し上げる力で排出されます。
ステップ③
ペット用のウエットティシュで、犬の肛門をやさしく拭いてきれいにする。
お風呂場でシャンプーの時のついでにやっていた場合は、シャワーでやさしく流してあげましょう。
肛門絞りをする頻度はどのくらい?
個体差があるため断定できませんが、月に1回くらいの頻度で行いましょう。
放置したままだと大変なことに
肛門腺に溜まったままで排出されないと、細菌に感染して炎症を起こしてしまう『肛門嚢炎(こうもんのうえん)』を発症する可能性があります。
また、肛門腺が破れてしまい膿が出たり出血をするケースもあります。
再発が続くと外科手術を行うこともあります。
こんなサインに注意しよう
◇犬が床にお尻をこすりつけてお尻で移動する
◇お尻をしきりに舐めて噛むようになった
◇自分の尾を追いかけるようにまわり続ける
◇トイレで気張る際に痛がるようなそぶりみせる
まとめ
肛門腺絞りのケアが必要な子は、必ずしも全ての犬ということはありません。
それぞれ個体差があったり、シニアになれば必要になってきたりと年齢で変化していきます。
飼主さんが、犬が不快感で見せるサインや変化に気づいてあげましょう。
飼主さんが肛門絞りのコツをつかみづらく慣れないうちは、トリミングサロンや動物病院にお願いしてみましょう。
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