お役立ち情報
子犬の社会化トレーニング
子犬の社会化について
子犬の『社会化』という言葉を聞いたことがあっても、どういうことか曖昧なイメージがあるのではないでしょうか?どのような大切な意味があり、子犬の健やかな心の成長の取り組み方をご紹介します。
社会化とは?
子犬の成長過程で、周りの社会(環境)へ順応して成長することを社会化いいます。
社会化期はいつまで?
子犬の生後1か月~3か月(4週齢~12週齢)といわれています。
この時期に、人や兄弟犬とのふれあいなどから多くを吸収できるピーク時期にあたります。
子犬の生後4か月(13週齢)から生後12か月の期間は『若齢期』となり、徐々に好奇心よりも警戒心が強くなってくる頃になります。
その後も、社会に慣れる経験をたくさんして継続していく必要があります。
犬種や、その子の性格によっては社会化の適した時期は必ずしも特定されているものではありません。
概ね成犬までの12ヶ月齢までの、様々な経験が社会化の積み重ねとなります。
社会化期の大切さ
飼主さんとの信頼関係を築いていくベースをこの時期に経験していきます。
子犬と楽しく遊んで、子犬の心の成長を見守る時期になります。
人との関わりが楽しく、ルールがあることも学んでいくことは、とても大切です。
社会化期に、人とふれあいが少なかったり環境での刺激が不足してしまうと、些細なことがストレスとなり怖がりや犬見知りがみられます。
また、犬同士の挨拶がわからず吠えて威嚇してしまうことがあります。
環境を整えよう
部屋はリラックスできる安全な場所となるように、ケージやペットベッドを、犬が落ち着ける静かな場所へ設置してあげましょう。
子犬に、リラックス出来る場所があれば、ここは安全だと認識してもらえて環境への適応がスムーズになります。
子犬をお迎え後は、少しずつ家の中のテレビの音や掃除機などの生活環境音に慣れさせていきましょう。
インターホンの音は、お試しで聞かせてみるといいでしょう。
社会化期のトレーニングはどんなことをするの?
人慣れの経験が大切
人とふれあっていく経験の中で、子犬の心も学んだ知識と共に成長していきます。おもちゃなどで子犬と遊んで、人との楽しい経験をたくさん増やしていきましょう。
愛犬の名前を呼んでふれあい、いい子にしてお留守番ができれば普段から褒めてあげましょう。
さらに、優しく撫でられることは、子犬の穏やかなやさしい性格形成へ効果があります。
自宅への来客や動物病院の先生など、飼主さん以外の人に会うのも経験になります。
また、気をつけておきたいのは、子犬はひとりの時間も重要であって、ぐっすり眠っていたい時や夢中でひとり遊びをしている時に、かわいさから構いすぎると逆にストレスになってしまい落ち着きがなくなってしまいます。遊んで、眠ってよく食べる子犬を見守りましょう。
子犬が甘えたい時は、思いっきり甘えさせてあげると、飼主さんとの生活に慣れて子犬の心の平穏が保たれていきます。
パピークラスで子犬たちとふれあおう
ワクチン接種を完了してから、動物病院やしつけ教室で行っているパピークラスへ参加してみましょう。
生後5か月前後の子犬たちと遊んだり、犬同士の挨拶の仕方を学べます。
プロのトレーナーから、適切な指導があり、子犬自身が楽しい経験になり飼主さん同士の情報交換も行える場所もあります。
動物病院でのメリットは、子犬にとって楽しい場所になり病院が苦手にならないかもしれません。
犬グッズのケア用品に慣れよう
犬の生活で必要なケアアイテムは、ブラッシングブラシ、爪切り、歯ブラシ、ペット用除菌シート、イヤークリーナーなどがありますが、子犬の健康のために衛生的なケアに徐々に慣れさせていきましょう。
子犬の爪切りなどは、足先をさわると嫌がる子が多いですが、優しく声をかけてケアをして、ごほうびにおやつをあげてみましょう。
ごほうびのおやつは、誤飲をしないように子犬年齢に適したおやつを選びましょう。
また、お散歩デビューする前から、部屋の中で首輪、ハーネス、リードの装着を試しておきましょう。
社会化が失敗してしまうケース
主従関係が逆転してしまう
犬は本能的に上下関係に従って行動します。上位にいるリーダーに服従し、下位にいる犬を従わせようとします。
飼主さんが、子犬の要求を受け入れすぎてしまうと、犬は、自分の方がリーダーだと勘違いをしてしまいます。
例えば、散歩中に飼い主さんよりも先に歩いて、好きな方向へ行きグイグイ引っ張ってしまうようになります。
突発的な飼い主さんの大声や行動
しつけのつもりで、大声で叱ることや、手をあげて子犬を抑えるのは、飼主さんへの恐怖の記憶となってしまいます。
飼主さんへの怯えと不信感が生まれてしまうため避けましょう。
しつこく無理強いをする
子犬が出来るまで、しつけを長時間にわたって何度も繰り返すのは、強いストレスを与えてしまっていることがあります。
日を改めたり、犬にもちょっと苦手なことがあるためゆっくりと教えていきましょう。
社会化は再スタートできる
興奮しやすい性格で跳びかかってしまう子や、警戒心が強すぎて散歩が上手に出来ない場合は、しつけ教室やドッグトレーナーに相談して、その子にあったプランで社会化へのトレーニングを行えば驚くほど改善されることもあります。
さらに、獣医師の先生からのアドバイスも参考にしましょう。
まとめ
社会化は、子犬のいろんな場面での対応力を育むことになります。子犬にとっては、まわりの世界は新発見であふれています。
飼主さんが、気負いをせずに社会化期を優しくサポートして、子犬の楽しい経験を増やしていきましょう。
- しつけ