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犬の療法食とは?タイプ別の特徴と食べない時の対処法

犬の療法食について

犬の病気の内容によっては、獣医師から療法食に切替が必要と診断を受けることがあります。
一般的な総合栄養食と違い特定の病気に対応した療法食とはどういうものなのでしょうか。
今回は、療法食を正しく知るための特徴と注意点、療法食を食べてくれない時の対象法をご紹介します。

犬の療法食とは

療法食とは、特定の病気と診断された際の食事療法が必要なケースで推奨される食事になります。獣医師の指導の元に与える量や成分の指定された物が選ばれます。
食事療法を行うことで、病気の進行を緩やかにして改善へ導きます。療法食は、製品ごとに特定の栄養成分の量の比率が制限したり強化して調整されています。
成分に関してはペットフード安全法で法律でも規制されています。療法食の基準を満たした場合は、適合マークがつけられます。この療法食マークをつけて販売している物は多数あります。

療法食の基準とは?

①療法食の範囲

食事療法に利用する主食また間食のペットフードをいう。
尚、サプリメント及び特定の栄養成分、栄養補給や嗜好性増進のみを目的としたものは含まれない。


➁療法食の用途と栄養特性

食事療法が適応となる特定疾病又健康状態に対し、対象動物と重要な栄養特性が記載されている。
製品中の含有量等を提示できるようなデータを保存すること。
増減幅が定められていない栄養成分については、特定の疾病又は健康状態の管理に必要な種類と量が過不足なく含まれるものとする。


③療法食の表示

療法食は、決められた11項目を適切に表示する。その他の表示は法に従い尊守すること。


④療法食の栄養特性の設定根拠

製品仕様に定められた栄養成分の量や比率の調整又は特別な方法による製造についてその設定根拠を明らかにする。

犬の療法食の種類と特徴

犬の療法食は、病気の症例により多くの種類に分類されます。製品の用途を見極めて適切な療法食を選びましょう。ここでは主な療法食の種類と特徴について紹介します。

①消化器疾患用

消化器疾患には、高消化率が図られ食物繊維を増強し脂肪の量を制限するように作られています。
下痢や嘔吐の電解質の低下を防ぐために、ミネラルやビタミン量が高めになっています。
また、食物不耐症の原因になる特定の原料を省き食物アレルギーにも配慮されています。

➁腎臓疾患用

腎臓疾患は、高品質なたんぱく質を使用しリンかたんぱく質を制限し、窒素含有成分の吸収を抑えるように作られています。
更に高血圧や酸化ストレスを減らすオメガ3脂肪酸を配合し腎臓の負担を軽くするように調整されています。

③心臓病疾患用

心臓疾患には、ナトリウムの量を制限することで心臓をサポートします。
但し不足すると重大な事態になる可能性もあります。そのためには、極端なナトリウムの制限は逆効果になります。獣医師の指導を受けてフードの量を調整しましょう。
他にはビタミンB群やタウリン、カルニチンなどを配合して補います。

④皮膚疾患用

皮膚疾患用には、犬の体の中では作ることができず食品から摂取しなければならない必須脂肪酸が強化されます。
必須脂肪酸の代表は、オメガ6系とオメガ3系があり一般的にはリノール酸、αリノレン酸と呼ばれています。
これらは犬の皮膚被毛の健康をサポートする役割があります。

⑤アレルギー用

アレルギー用の療法食では、極めて微量な加水分化タンパク質や新奇タンパク質、精製したアミノ酸などを含んでいます。
食物アレルギー又は食物不耐症の原因となる特定の原材料を製造過程で徹底的に排除されたものになります。

⑥下部尿路疾患用

下部尿路疾患用の療法食は、ストルバイト結石症やシュウ酸カルシウム結石症などの治療のためにミネラルの含有量を調整しています。
ここでいうミネラルは、マグネシウム、ナトリウム、カルシウムになります。

⑦肥満用

肥満用は体重をコントレールするために、低カロリー、低脂肪、高繊維に調整されており少量でも満腹感を得られるため犬に減量中のストレスがかかりにくくなっています。
また比較的高たんぱくであるので筋肉量が落ちてしまうのを防いでいます。

犬の療法食の注意点は?

獣医師の診察後に健康状態に応じての推奨される特別なフードのため取扱で気をつけたいことは次のようになります。

獣医師の指導

犬の療法食は、医薬品ではないのでホームセンターやインターネットで購入することが可能です。
しかし、特定の病気ではないちょっと太ってきたからなどの飼主さんの判断で選択をしないようにしましょう。
有名メーカーの商品だからと与えていても栄養が偏ってしまうと健康被害を引き起こす可能性があります。
必ず獣医師と相談して病院からの指定のフードや量を守りましょう。

療法食の切り替えは慎重に

療法食の切り替えは1週間から10日くらいをかけて、それまで与えていたフードに対する比率を少しずつ増やしながら行いましょう。
いきなり変えると犬が下痢や便秘になるなど体調を崩すことがあります。
おなかが弱い子は、胃腸の負担を考えて長く時間をかけて切替を行いましょう。

食べさせ方と継続時間をチェック

療法食はもともと食事によって病状を回復させる役割をもっていますが、他のフードやおやつを同時に与えると効果が薄れてしまうことに気をつけましょう。
そして療法食を与える期間が指定されている場合は、その期間内で終了しましょう。
例えば、短期療養用の療法食を長期にわたり与えてしまうと病気の回復が遠のいてしまうかもしれません。
獣医師からの指導される給餌の期間を確認しておきましょう。

療法食と機能性ドッグフードの違い

機能性ドッグフードとは、〇〇に配慮、〇〇の健康、吐き戻し〇〇、毛玉〇〇など記載があるものは病気の治療を目的にされたフードではないため代用できません。
機能性フードは健康な状態でサポートしてプラスされる機能のものになります。病気の時には、更に悪化する可能性があるため注意が必要です。

療法食を食べてくれない時の対処法

お湯でふやかす

お湯でふやかすとフードの香がたつため嗜好性が増して食べてくれやすくなります。
また水分補給のウエットフードなどに混ぜてあげてみるとウエットの食感が好きな子なら食べやすいでしょう。充分に冷めてから与えてみましょう。

温めてみる

ドライフードをレンジで人肌くらいに温めてみると、こちらも香がたつため食いつきも良くなるでしょう。

食べたら褒める

少し食べてくれたらしっかり褒めてあげると、食べることで褒めてもらえることを学習します。

数回に分けて与える

慣れないフードも、少しづつ数回に分けて与えると食欲が戻り食べてくれるようになります。
可能であれば、1日に5回くらいに分けて与えてみましょう。

獣医師に相談

療法食にも味のバラエティが少ないながらもあるため同じ療法食であってもチキンやビーフなど、変更が可能かを獣医師に相談してみましょう。
他には、粒の大きさの好みも観察して小粒が好きな場合は代用できる療法食があるかなど視野を広げてみましょう。

まとめ

犬の療法食は、病気による食事療法が必要な場合に獣医師の判断で与えます。含まれる栄養素は特別に調整されていて栄養を強化したり特定の成分を制限しています。
ネット通販などで購入できますが、自己判断ではなく獣医師の指示に従って適切な量と期間を守って与えるようにしましょう。

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