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犬のいびきの原因は?考えられる病気や対処法は?
犬がいびきをかく3つの原因
犬も人と同じように寝ている時にいびきをかきます。寝言を言いながらぐっすり眠れているようで微笑ましいですね。
しかし以前より音が大きくなると、何らかの病気の可能性もあるので注意が必要です。
今回は、なぜそもそもいびきをかくのかという原因や病気、かきやすい犬種、対処法についてご紹介します。
いびきのしくみは?原因は?
いびきとは、睡眠中の呼吸時に雑音がすることをいいます。この音が出る仕組みは、鼻から喉までの上部気道を空気が通る時に、何らかの理由で狭くなった箇所の粘膜が振動することで『ガーガー』『グーグー』『クゥーフゥー』と低音で響きます。
犬のいびきの主な原因は以下になりますので参考にしてみましょう。
➀肥満
犬が肥満になると、体だけでなく首や喉の周りに脂肪がついて気道を圧迫しいびきをかきやすくなります。
呼吸がしづらくなると、睡眠時無呼吸症候群のリスクが高くなります。
➁加齢
シニアになると喉や首の筋力が加齢に伴って落ちてゆるみやすく、特に舌が長い犬は舌の根が気管まで垂れて気道を狭くします。
そのため若い頃はいびきをかいたことがない犬もシニアになるといびきをかくようになります。
③鼻づまり
花粉や埃、ダニなどによってアレルギーを引き起こして鼻腔内で炎症があると、空気の通り道が狭くなり鼻呼吸がしづらくなりいびきをかくようになります。
犬のいびきから考えられる病気
外鼻孔狭窄(がいびこうきょうさく)
外鼻孔狭窄とは、生まれつき鼻の入口が狭く鼻から十分な空気を吸うことが難しく強く吸い込みことにより、さらに鼻の入口が狭まり通常の鼻の穴は、コンマ型をしていますがL字型の直角になります。
短頭種に多く発症しますが、外科手術で入口を広げることが可能です。避妊去勢手術の際に行うことが多く獣医師と相談してみましょう。
軟口蓋過長症(なんこうがいかちょうしょう)
軟口蓋過長症とは、喉の手前にあるやわらかい口の天井部分が正常より生まれつき長く、これが空気の通り道を塞ぐためにいびきをかきます。
こちらも避妊去勢手術時に、正常の長さに戻す手術を行うことで改善へ向かいます。
鼻腔内腫瘍(びくうないしゅよう)
鼻腔内腫瘍とは、鼻の中に良性または悪性の腫瘍というできものができることをいいます。
腫瘍が空気の通り道を圧迫したり塞ぐことによりいびきをかくようになります。
大半は悪性のケースが多く、鼻からの出血や顔の腫れが表れるため早めの治療を選択しましょう。
気管虚脱(きかんきょだつ)
気管虚脱は、小型犬がなりやすいといわれている症状で空気の通る気管を圧迫したことによって、空気がうまく流れなくなりアヒルのようにガーガーと呼吸をすると音が出ます。
つまり通常は気管は軟骨に囲まれてホースのような形状を保っていますが、何らかの理由で軟骨が歪んでしまうことで気管を圧迫することになります。
症状が軽い場合は、投薬を受けながら経過観察となります。重度になると手術を行うことになります。
乾いた咳や苦しそうな呼吸が疑われるケースは、獣医師と相談してみましょう。
いびきをかきやすい犬種は?
いびきの程度を気にかけるべき犬種は、鼻ペチャとされる短頭種です。
短頭種は、頭蓋骨の幅に比べてマズル(口から鼻まで)が短く鼻腔が狭い傾向です。
また短頭種だけではなく、小型犬のトイプードルやヨークシャーテリア、大型犬のゴールデンレトリバー、ラブラドールレトリバーは、軟口蓋過長症になりやすいとされています。
鼻が低い主な短頭種
・パグ
・ペキニーズ
・フレンチブルドッグ
・ボストンテリア
・ブルドッグ
・シーズー
・チワワ
犬がいびきをかいている時のタイプ別対処法
心配がないタイプのいびきには?
短頭種の犬は、いびきをかきやすいため起きている時の呼吸に問題がなく寝ている時に苦しい様子がみられない場合は一過性の可能性があります。
いびきの音もそれほど大きくなければ、様子を観察してみましょう。様子を見ながら飼主さんが自宅で行えることは下記になります。
①体重の管理
首まわりに脂肪がついてしまうと喉を圧迫してしまうため、普段のブラッシングの際には、体重が増えていないかを気にかけてあげましょう。
肥満ぎみの体重であれば、食事をコントロールして運動も併せてダイエットを試してみましょう。
➁環境を見直す
部屋に埃がたまるとアレルゲンの原因となるため、掃除をして衛生的に保ちましょう。
また高温多湿であると呼吸がしづらくいびきの原因にもなります。犬にとっては涼しい環境になるように、エアコンを利用して室温は25℃くらい、湿度は50%程に調整しましょう。
③体勢を変える
いびきをよくかく犬の寝ている時の体勢をチェックして、優しく起さないようにいびきをかきにくい体勢に戻すように試してみましょう。
犬が仰向け(ヘソ天)や横向きに寝ると喉の気道を塞ぎやすいためできるだけうつぶせ寝にしてあげると呼吸がしやすくなります。
病院を受診すべきタイプのいびきは?
飼主さんが犬に変化があって違和感を感じるということがポイントになります。
病院に連れていくか迷うということが違和感になっているため、念のためを含めて早めに受診をしましょう。
次の様子が犬に見られる場合は注意が必要です。
・いびきの音が大きくなった
・呼吸時に『ゼコゼコ』、『ガーガー』と雑音がする
・いびきが一瞬止まるのを繰り返す
・苦しそうにして元気がない
・熟睡できてなくすぐ起きてしまう
まとめ
犬のいびきをかく理由は、肥満や加齢、鼻づまりが原因となります。
しかし、いびきの音が大きくなったり呼吸が荒いなどの症状があれば病気が隠れている可能性が疑われます。
特に鼻と口の距離が短い短頭種は、いびきをかきやすく気道が狭いため普段の睡眠時に注意して様子を見てあげましょう。
そして犬に気になる変化があれば獣医師に相談してみましょう。
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