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犬の便秘の原因は?病院へ行く目安と予防法

犬は何日から便秘?便秘の4つの原因とは?
犬も便秘になってしまうことがあります。毎日スムーズに排泄できず便秘になると体調を崩してしまいます。子犬のうちは1日の排便回数が多いのに出ないと心配になりますね。
そうすると飼主さんが病院へ連れていくタイミングを見極める必要があります。
今回は、便秘の原因と症状、病院へ行く目安と予防法をご紹介します。
便秘の4つの原因とは?
人では一般的に3日以上経過しても排便がない状態が便秘とみなされます。一方、犬では何日からという明確な基準はありません。
犬の便秘は、普段と比べて排便回数が極端に減ってしまうことや、長い時間いきんでいる、うんちが固くて水分がなくコロコロで少量であるなどが挙げられます。
また回数では、ほとんどの犬は1日に1回以上の排便があり、子犬は1日に5回程の排便があります。
したがって、食欲があっても丸2日たって排便がない状態で便秘ぎみを疑ってみましょう。
以下の主な便秘の原因を参考にしてみましょう。
➀食べ物の影響や飲料水不足
食事の内容が大きく関わっている場合があります。食事が体質に合わないことや、食物繊維のかさましで使用されている不溶性食物繊維を摂り過ぎるとうんちが大きくなり排出しずらくなります。
普段ドライフードを食べている場合は、食事からの水分補給が出来ないためウエットフードを与えるように工夫してみましょう。便に水分を供給するバランスをとってくれる飲料水が不足しているケースもあります。
新鮮な飲料水を用意した際に、給水器からちゃんと飲めているかをチェックしてみましょう。併せて飲みやすいように、給水器の高さやサイズを見直してみましょう。
➁運動不足・加齢
犬の散歩が減って運動不足になると、消化管や大腸の活動が悪くなり便秘になる可能性があります。
シニア犬は、排便のための足腰の筋力が落ちないように散歩や遊びに誘って活動量を増やしてあげましょう。
③環境のストレス
周囲の環境からのストレスから自立神経がバランスを崩してしまうと大腸の運動が弱くなり便秘になりやすくなります。
特に犬は綺麗好きなため、汚れたトイレでの排泄を我慢してしまうことがあります。そして、トイレの置き場所が落ち着かないことなどからトイレの回数が減ってしまう可能性があります。
またトイレの失敗を強く叱られると、我慢して隠れてトイレをするようになり便秘になってしまいます。
他には、引越したばかりの新居に慣れるまで便秘になる子も少なくありません。
④誤飲・病気の疑い
部屋の中の小さな物やおもちゃを誤飲すると、腸閉塞を引起してうんちが出なくなり嘔吐や食欲の低下の症状がでます。
またホルモン疾患も便秘の原因となり、甲状腺機能低下症が知られています。
甲状腺から分泌される甲状腺ホルモンは、体の働きを助ける役割をしていますが、このホルモンが減少すると腸の働きが悪くなってしまい便秘になります。
関節疾患の膝蓋骨脱臼の場合は、背骨の神経系に痛みがありいきむことが出来ないためにきっかけとなることがあります。
病院に行く判断の基準は?
便秘の程度に基準がないため、食欲があり元気であれば様子見をしてみましょう。
しかし、次のように体調に表れている場合や自分で判断が出来ない時は迷わず動物病院を受診するようにしましょう。
・丸3日以上排泄していない
・元気がない
・排泄姿勢でいきむが出ない
・嘔吐する
・食欲がない
・排便時に痛みで吠えたり声が出る
・お腹が張っている
・排便に血が混ざる
犬が排便しない時に考えられる病気は?
巨大結腸症
巨大結腸症とは、大腸の一部の結腸が便秘の慢性化によって拡張し便を送り出す運動が低下してしまい、非常に頑固な便秘となります。
排出時間が長くなり、排便時に悲鳴をあげたり嘔吐をともないます。対処が遅れると脱水症状や全身の状態が悪化して命を落とす可能性もあります。
会陰ヘルニア(エインヘルニア)
会陰ヘルニアとは、肛門の周辺の会陰と呼ばれる箇所の筋肉が萎縮して緩くなった隙間に臓器が飛び出す病気です。
排便時に痛そうにしたり、お尻の膨らみで気づくことができますが、初期症状を見逃しやすく、溜まっていたうんちを排便できたとしても原因となっている会陰ヘルニアの異常は完治しているわけではなく、自然治癒はしないため早急に治療を開始する必要があります。
前立腺肥大
前立腺肥大とは、文字の通り前立腺が肥大することで直腸を圧迫することで排便がスムーズに行えない症状が表れます。
未去勢の雄の6歳以上の高齢犬に多く、高齢になると男性ホルモンのバランスが乱れホルモンが過剰に分泌されるためです。
総じて去勢手術を行うことで予防することが可能です。
犬の便秘の予防法
食事のバランスと水分補給
犬の食事のフードを見直して、適度に繊維質があるものを選ぶようにしましょう。
おやつでは、さつまいもやバナナ、りんごなどの繊維質の入ったものを与えてみましょう。
ダイエット食には、繊維質が含まれていますが摂り過ぎると逆に便秘になってしまうため注意しましょう。
次に、犬も水を積極的に飲むことで便秘を解消することができます。
ドライフードを主食としている場合の犬が1日に必要とする飲水量の目安は、体重1kgにつき50ml程とされており、例えば、4kgの犬では200ml程、10kgの犬では、500ml程の水分が必要になります。
ウエットフードやスープ、手作りのささみスープなどを与えて飲水量が不足しないように工夫してみましょう。お気に入りのウエットのスープがあると、ごほうびにも利用できますね。
また起床時、食後、運動した後には、犬の口元に水を持っていって飲むように促してみましょう。
そうして、なるべく普段から水を飲んでもらえるように生活に取り入れてみましょう。
適度な運動
散歩をかかさないことで適度な運動が保たれると、筋力の低下を防ぐことができ犬のストレス解消に役立ちます。
運動は、副交感神経の働きを促進させて腸のコントロールをしている自立神経のバランスを整えることが出来るため排便がスムーズになります。
冷えに注意
体が冷えると便を出すための腸も冷えてしまいます。つまり、腸の血流の調整をしている自立神経のバランスの交感神経が優位になり末梢血管が収縮して血行が悪くなります。
冷えを軽減して血流を良くすることが、腸の血流を正常にすることにつながります。犬もお腹を冷やさないように気をつけてあげることが大切です。
そして季節の変わり目には夜間や早朝に部屋が冷えすぎないように、室内環境を整えてあげましょう。
まとめ
犬が便秘になる原因も様々です。バランスのとれた食事とストレスを溜めないように適度な運動で予防を心がけましょう。
放置してしまうと病気が潜んでいる可能性も考えられるため、いつもと違う様子が見られたら獣医師に相談して健康を守ってあげましょう。
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