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犬の椎間板ヘルニアとは?原因や治療方法は?

犬の椎間板ヘルニアとは?
犬の椎間板ヘルニアは、どの犬種でも起こりやすい傷病で、特にダックスフンドやコーギーでの発症が多いことで知られています。初期であれば、手術をせずに投薬での治療を進めることが出来るため早期発見がとても大切です。
今回は、椎間板ヘルニアの症状や原因などについてご紹介します。
椎間板ヘルニアはどんな病気?
椎間板とは、背骨の骨と骨のつなぎ目にあるゼリー状の組織で、背骨(脊椎)にかかる衝撃をおさえるクッションの役割をしています。この椎間板が何らかの理由によって、飛び出して神経の束の脊髄を圧迫することで痛みや麻痺が引き起こされます。
おもな症状は?
椎間板ヘルニアは、脊髄のどの部分がどれ程圧迫されているかで、さまざまな症状が表れますが次の5つのグレードに分類されています。
グレード1 『痛みがある』
グレード1とは、軽度であるが背中を丸めてじっとしている、抱っこした時にキャンとなく、触られることを避けるなどがあります。
グレード2 『ふらつく』
自力で立っての歩行は可能ですが、足先の感覚が鈍くなり歩行時にふらつきや足先をこすります。
グレード3 『歩けないが排尿はできる』
グレード3からは重度の症状となり、後ろ足が麻痺で動かす事が出来ずに前足だけで歩こうとします。
尿意が分かりトイレで自力で排尿ができます。
グレード4 『立つことが困難・自力の排尿不可』
麻痺の程度が強くなり足の感覚はほぼなくなっています。自力での排尿をコントロールすることが出来ず失禁してしまいます。同様に排便にも麻痺が表れます。
この段階では、手術によって回復する可能性が十分にあり90%は改善される予想となります。回復の鍵は早急な治療の開始にかかっているといえます。遅くなるほど回復や治療が長引く結果となります。
グレード5 『重度な麻痺・深部感覚無し』
麻痺の程度が重く、足の骨の感覚はなく痛みを感じることができません。自力での歩行、排尿、排便が行えなくなり感覚も失っています。
症状が重いですが、手術をしてリハビリによって改善の方向を選ぶことができます。
犬の椎間板ヘルニアの原因は?
椎間板ヘルニアの原因は、主にハンセン1型とハンセン2型の2つのタイプに分類されています。
ハンセン1型は急性的な発症がみられ、ダックスフンド、コーギー、ビーグルなどの軟骨異栄養性犬種に起こりやすく、比較的若い年齢で発症します。
軟骨異栄養性犬種は、椎間板の中の元々はゼリー状の髄核が生まれつき硬くなりやすく、髄核を包んでいる繊維輪に亀裂が入り、これによって脊髄を圧迫することによって発症します。
一方、ハンセン2型は加齢に伴って椎間板が変性して繊維輪が厚くなり盛り上がることで脊髄を圧迫します。すべての犬種の成犬から老犬に起こりえます。そして進行の速度が緩やかな傾向があります。
軟骨異栄養性犬種とは?
軟骨異栄養性犬種は、遺伝子に軟骨異栄養症をもち本来は骨格が成長するはずの成長が生れつき不足する性質になります。
これは、骨が伸びないことや顔が丸くなる特徴があります。軟骨異栄養性犬種の主な犬種は下記の通りです。
・ダックスフンド
・コーギー
・ビーグル
・パグ
・トイプードル
・フレンチブルドッグ
・ペキニーズ
・パピヨン
犬の椎間板ヘルニアの治療法は?
治療方法は、神経系の検査や画像検査を行って、どの箇所の椎間板にどれくらいの症状の進行度があるかによって違います。画像検査には、脊髄造影検査がメインですが、他にもCT検査、MRI検査も実地する場合もあります。
ここでは、軽度と重度の場合に分けて解説します。
軽度の場合の治療 『投薬・お散歩NG!絶対安静』
軽度の場合は、鎮痛薬やステロイドの薬の投与や痛み止めの注射をする内科療法が主に行われます。
初期の麻痺には絶対安静にする治療法があり、服薬により炎症を抑えて、散歩には行かずに狭いケージに入れて、トイレ以外は出さずにじっとして安静にさせることを、4~6週間程行います。
この治療法を『ケージレスト』といい治療の軸になります。
狭くてかわいそうだからと安静にせずに出してしまうと、椎間板が安定しなくなり悪化して歩行できなくなるケースがあります。
また、レーザー治療や針治療を行う病院もあります。治療方法は獣医師と相談しましょう。
重度の場合の治療 『手術・リハビリ』
重度の場合は、突出した椎間板を摘出する外科手術を行います。手術の箇所の特定するためには、脊髄造影やCT検査、MRI検査を行います。
術後は、麻痺で低下した筋力を戻すためのリハビリが必要になります。
リハビリは、プールの中での歩行訓練やランニングマシーンの利用など身体への負担を抑えながら、回復に向けて取り組みます。そして飼主さんも焦らず時間をかけて一緒に支えてあげることが大切です。
ちなみに外科治療では、ケージレストは行われず術後のリハビリに専念することになります。
犬の椎間板ヘルニアの予防は?
椎間板ヘルニアを予防するにはどうしたらいいのでしょうか。予防は、生活の中で腰に負担をかけないことがリスクを減らすために重要になります。
ここでは、主な予防方法の5つのポイントを紹介します。
➀適正体重をキープ
肥満で体重が重くなると足の関節や腰への負担が増してしまいます。子犬の頃から適正体重をキープできるように、適度な運動と食事の管理を行いましょう。
日頃から体重を計量して、体重を把握しておくと増減に気づきやすくなります。
➁激しい運動を控える
適度な運動は大切ですが、運動量が多すぎる場合は腰への負担になります。
そして、くるくる回る、急停止、急カーブなど犬の背中への負担となる行動はなるべく避けるようにしましょう。
過度な運動を避けるには、ゆったりとした散歩と少しペースを上げた散歩を混ぜて行いバランスをとりましょう。
犬種やライフステージに合わせた適度な運動量を獣医師と相談してみましょう。
③段差をなくす
階段やソファーなどの段差の上り下りは控えるように気をつけましょう。ソファーやベッドの側には、ペットステップを置いて段差を無くして腰に負担がかからないようにしましょう。
特に小型犬の椅子からのジャンプは、関節を痛めてしまうため避けるようにしましょう。
④無理な姿勢はやめる
犬を抱っこする時には、脇の下に手を入れて持ち上げて足がぶらついたり、あおむけに抱っこすると背骨に負担がかかります。
抱っこする時の犬の姿勢は、しっかりと手で犬の足腰を支えて背中を平行に保つようにしましょう。
他には、犬におやつをあげる時に、二足歩行のように後ろ足だけで立たせるのは体重が腰椎に圧しかかり、背骨が湾曲して突然の発症のリスクが高く危険なためやめましょう。
SNSではトイプードルの二足歩行が多くみられますが、犬にとってはきつい姿勢でも、飼主さんが喜んでくれているから無理をしている状況です。かわいいしぐさが微笑ましいですが真似をしないようにしましょう。
⑤滑らない工夫をする
床が滑りやすいと腰に負担がかかってしまうため、床材を変更したりペット用のフローリングワックスや、カーペット、滑り止めマットを敷いて負担を軽減してあげましょう。
また犬の肉球周りの毛が伸びていると、滑りやすいので定期的にカットしてケアをしましょう。
まとめ
椎間板ヘルニアは、脊髄の神経を椎間板が圧迫することにより痛みや麻痺を引き起こす犬に多い病気です。
防ぐには、日頃から背中や腰へ負担をかけないことや、適切な体重をキープすることが大切です。
そして強い痛みが生じる椎間板ヘルニアは、早めの治療を開始することで早期の回復が期待できます。愛犬の初期のふらつきの症状や小さな異変に気づいてあげましょう。
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